橘倉酒造について

「古い文明は必ず美(うる)わしい酒を持つ」と云われる如く、
日本酒は民族の酒として古来連綿と受け継がれて来た
文化の滴(しずく)であります。
当社も元禄以来三百余年の間、酒造り一筋に励んで参りました。
先人の志と技を継承しつつ、
それを支えて下さった愛飲家のご期待に応えることで、伝統を育んでまいりました。

 

ここ信州佐久は、寒冷な気候風土が酒造りに最適であり、
清冽な水と豊富な米を以て酒を醸して参りました。
もとより酒は、所謂「工業産品」に非ずして、
美しい風土と微生物(麹菌の糖化作用と酵母菌のアルコール発酵)
がもたらす「自然の賜(たまもの)」です。

明治以降、近代化といわれる機械化・合理化・画一化の中で、
ともすれば人の心までもが殺伐とした現在、
私共はこの佐久の大地に根ざした酒造りを目指します。
米作り農家の皆さんと共に原料の吟味・厳選に努め、
杜氏はじめ蔵人の人達とは製法・加工の純正・伝統性を重んじて美酒を造る。
私達が背負う歴史と文化を次世代に伝えながら、
自然と人間の営みが醸し出す一滴一滴に、
造り人の心意気を込めて参りたいと考えます。

時代を越えて、国境を越えて、人の喜びを拡げ、和を結ぶ酒として、
橘倉の酒を今後共お引き立て下さいます様お願い申し上げます。