No 017 御霊櫃峠(福島県) 猪苗代を望む冬の峠路
御霊櫃峠(福島県)
●福島県郡山市逢瀬町
●標高 830メートル
御霊櫃峠の由来は平安時代にさかのぼる。平安時代後期、前9年の役(1051年~1062年)と呼ぶ長い戦いがあった。東北の阿部氏平定のため、源氏と藤原氏が手を組み立ち上がったが、阿部氏の抵抗が強く、戦は何時終わるか分からなかった。源義家の家臣、鎌倉権五郎景政が、当地を訪れたとき、山中の大きな岩に、戦勝と五穀豊穣を祈願した。それより、連戦連勝が続き、阿部氏を滅ぼした。それから、里の人々が、御霊櫃峠と呼ぶようになった。
また、幕末は戊辰戦争の舞台となり、会津藩士と薩摩・長州の官軍との激戦の地となった。峠周辺には、今でも防塁のあとが残る。峠を降りて会津鶴ヶ城を訪れると、白虎隊をはじめとした会津武士の生き方「会津武士道」を知った。
その中に、幼年の教育として「什の誓ひ」というのがあり、
一、年長者の言うことに背いてはなりませぬ。
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ。
一、虚言(うそ)を言う事はなりませぬ。
一、卑怯なる振る舞いをしてはなりませぬ。
一、弱いものをいじめてはなりませぬ。
一、戸外でものを食べてはなりませぬ。
一、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ。
ならぬことはならぬものです。
幼年をこのような厳格な教育で育ち、会津藩士を誇りとして凛々しく生きて行った。
★御霊櫃峠へのアクセス
・東北自動車道郡山南ICから車で40分(冬季は閉鎖、峠入り口から徒歩で約2時間)
★周辺の見所
・5月から6月上旬にかけて峠周辺はツツジが咲き誇り、花の山になる。
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